冷徹執事様はCEO!?
私は机に置かれた新聞を開く。

ふむふむ、九州地方で1時間に300mmを超える集中豪雨により土砂災害が発生…って全然内容が入って来ない…。

想い出されるのはあの柔らかい唇の感触。

蕩けそうになるくらい何度も舌を絡ませて、身体の芯が痺れていった。

ああ!ダメだ!

私は脳裏に焼き付いた甘美な記憶を振り払おうと頭をブンブンと横に振る。

「お待たせいたしました」

田中がフレンチトーストとトマトとアボカドのサラダにコーヒーを運んでくる。

「いただきます」

味はいうまでもなく美味しい。

特に田中のフレンチトーストは絶品なので、あっという間に平らげてしまった。

「美味しかったわ」私はにっこりと微笑んだ。

「お気に召していただいてよかったです」

田中は無表情のまま一礼すると食器を下げていく。

本っといつも通りのポーカーフェースで可愛くないわね。

私はフンと鼻を鳴らした。
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