冷徹執事様はCEO!?
確かに田中の態度は尊大だし、失礼なことばかり言っているけど、信夫の一件では助けられた事は確かだ。

田中と過ごした楽しい日々が脳裏を過る。

「別に田中だから嫌って訳じゃないのよ。お金とか家のために結婚するってのが私のポリシーに反するというか」

「わかりました」

「解ってくれたのね」

私はホッとして思わず笑みが零れた。

「三ヶ月です」

「へ?」

「ロスタイムを差し上げあげましょう」

「ロスタイム?」意味が解らず私は聞き返した。

「はい、その間にもし燁子さまが結婚したいと思える異性に出会えたらこの話はなかった事にしましょう」

「出会えなかったら?」

「私と婚約していただきます」

婚約と言っても田中は甘さ0(ゼロ)のテンションだ。まるで業務連絡みたい。

「これは最大限の譲歩ですよ。旦那さまは今すぐにでも、と乗り気でいらっしゃいますが、私から上手く言っておきます」

「私にいい人が見つかったらどうするのよ」

「その時は、この話は白紙に戻します」

田中は言った。言い切った
< 160 / 277 >

この作品をシェア

pagetop