冷徹執事様はCEO!?
「出来るの?そんなこと」私は訝しげな視線を向ける。

「そもそも燁子さまに恋人ができれば旦那さまも結婚についてうるさく言う必要がありません」

なるほど、確かにその通りだ。

ホホウ、と私は唸る。

「でも、田中は資本提携の話がなくなっちゃうんじゃない?大丈夫なの?」

「結婚話をワガママ娘に断られた事で、旦那さまには貸しが出来ます。今よりも有利に事は進むでしょう」

どっちに転んでも田中が損する事はない、って事か。

其処まで計算しているとはヤッパリ田中は腹黒い。

「でも、短くない?三ヶ月って」

「私が誤魔化し切れる最大限の時間です」

きっとこの話を断れば、老獪な父と有能な田中によって外堀から埋められて、自分の意思を通す機会はないだろう。

短い期間とはいえチャンスを貰ったんだ。

「解った。三ヶ月私に時間を頂戴」

「決まりですね」

田中はニッコリと笑みを浮かべる。

何か企みがありそうで恐ろしい。

「燁子さまは酸いも甘いも噛み分けたのだから、今更信夫のようなカスを掴むこともないでしょう。旦那さまのお目がねにかなう素敵な男性を見つけられるとよいですね」

田中は余裕の笑みを浮かべながら、プレッシャーをかけてきやがった。


田中がビビるくらいのいい男を捕まえてやる。

離婚の悲しみ暮れる暇もなく、私は婚活に入る。
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