冷徹執事様はCEO!?
私もつられて色黒の指す方へと視線を向けた。

「あれepicの副社長じゃねえ?」

epic…

その名前に思わず身震いしてしまう。

「藤原駆だ!」キムタクが興奮気味に言う。

「あれ一緒にいる奴誰だ?なんか偉そうだけど」色黒が訝しい視線を向ける。

次の瞬間、私の顔面からサーッと血の気が引いていく。

其処にヤツはいた。

真っ直ぐ伸びた背筋に、無感情で人形のような美しい顔立ち。

遠くからでも直ぐわかる

田中だ。

「お前知らないのかよ。epicのCEO田中さんだよ」

キムタクが得意気に言う。同業だけあってepicの事もよく知っているようだ。

田中は珍しく今日はスーツをバシッと着こなしいて、藤原と並ぶと華やかで嫌が応にも人目を惹く。

現に、店内にいる女性客がチラチラと二人に視線を向けるが、慣れたように受け流し、此方へ向かって歩いてくる。

こっちに来んな!田中!来たら殺す!

念を送ってみる…が、その努力も虚しく田中達は、すぐ隣のテーブルに座った。

視線が合うと、田中は不敵な笑みを浮かべながらネクタイを緩める。

私はお口あんぐり状態だ。
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