冷徹執事様はCEO!?
緩々と惰眠を貪っていると、首元がくすぐったくて、目を覚ました。

田中が猫のように甘えて擦り寄ってくる。

「くすぐったいわ、稜」

私はだらしなく頬を緩ませた。

窓の方に目をやると柔らかな日が射しこんでいる。

「今何時」

「10時だよ」

随分と寝坊してしまったようだ。

「昨日は無理をさせてすまなかったね」

全くだ。

あの後、夜まで私はベッドから解放される事はなかった。

夕飯もデリバリーのピザを注文する程の体たらく…。

最後は意識が朦朧として、果てたまま眠ってしまった。

恐るべし、田中…。

布団を捲り上げると、ピケのルームウェアを身につけている。田中が着せてくれたようだ。

「水飲む?」

田中はキッチンの冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターを持って来てくれた。

「ん、ありがとう」私は気だるい身体をゆっくり起こす。

喉が渇いていたので、ボトルの口を開けて一気に流しこんだ。

冷たい水で、寝ぼけた頭が徐々に覚醒して行く。

田中がベッドに腰掛けたので、私はそっと髪に触れた。

シャワーを浴びたのか少し湿っていた。


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