冷徹執事様はCEO!?
「お腹が空いたわ」

「昨日はたくさん運動したからね」田中はニッコリと微笑んだ。

まったく誰のせいだ…。私は恨みがましい視線を向けた。

「食事にしようか。たくさん食べて体力つけないとな」

私は飲んでた水を吹き出しそうになる。

「ま、まだ…ヤるの?」

「燁子、下品だぞ」田中は咎めるように目を細める。

「田中に言われたくないわよ!あ、あんな事ことまでさせといて!」

私の脳裏に昨日の情景が浮かび顔を真っ赤にする。

あれ、と言って、田中は私の顔を覗き込む。

「さっきみたいに稜って読んでくれないの?」

「その、雰囲気に流されたというか…」

「もう、田中はやめてくれ」

私たちはクスクス笑い合う。目が合うと自然と唇を重ねた。

「リョウ」

嬉しくてキスの合間に名前を呼ぶ。

田中が私を見つめる目は綻び、蕩けそうなくらい甘くて、身体の芯がジンと痺れる。

「好きよ」

…田中は何も答えない。

ふつーこの流れだと「俺も好きだ」とか言ったりするんじゃないの?

自分の気持ちを伝えるのを先走りすぎたか、と不安が過る。
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