冷徹執事様はCEO!?
「あれ、稜は?」

私は重くなたないよう気軽な口調で訪ねた。

「会った時から…ひ…れだった」なんかゴニョゴニョ言ってる。

声が小さすぎて聞き取れない。

「ごめん、もう一回言ってくれる?」

「一回しか言えない」田中は眼鏡を外して覆いかぶさってきた。

「ちょっと!稜!」異議申し立てようとすると、キスによって唇を塞がれた。

そのままなし崩しに何度も何度も唇を重ね合う。

ああ…脳みそが溶ける…

何処からが自分なのか境目がわからなくなる程、濃密なキスをする。

私がうっとりと田中の唇を堪能していると、玄関のチャイムが鳴った。

「誰か来たけど」

「いい、ほっとけ」

田中は首筋に唇を這わせながら、背中に手を回しブラのホックを慣れた手つきで外す。

「おい!燁子!いるんだろ!」

玄関から私を呼ぶ声が聞こえて二人ともギクリと固まった。

「稜!開けろ!」玄関のドアを叩く音がする。

「匠ちゃんだ…」

2人はベッドから飛び起きた。

慌てて脱ぎ散らかした服を掻き集めて、なんとか着衣を整える。

「稜!眼鏡!」

「は、はい!」

さっきまでの甘い雰囲気はあっという間に打ち消された。

田中は慌てて玄関へと向かう。私は息を殺しながら、聞き耳を立てて様子を伺った。

ガチャリとドアを開く音がする。
< 253 / 277 >

この作品をシェア

pagetop