冷徹執事様はCEO!?
「なんだよ、匠、朝っぱらから」田中は不機嫌そうな声で言う。

「燁子が来てるんだろ?」

「何の事だ?」田中はすっとぼける。

「これは誰の靴だ?」

匠ちゃんは目敏く私のスニーカーを見つけて指摘する。

「…どこかの女が置いてった」

「お前、女は自宅に連れ込まない主義だろ?」

はい、秒速で論破。

実兄ながらなかなか手強い。

「燁子、出て来い。今なら俺から父さんに話してやるから」

出た。匠ちゃんの懐柔作戦。だけどその手には乗らない。

「うちにはいない。他所を探せよ」

「燁子、いるんだろ?お兄ちゃんを本気で怒らせたいのかー?epicの資本提携も白紙に戻しちゃうぞー?」

「それはダメ!」

私は匠ちゃんの術中に嵌り、まんまと玄関に飛び出して行った。
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