冷徹執事様はCEO!?
「ご主人さま怖ーい」

晴子姉さんはニヤニヤしながら冷やかすと、匠ちゃんは苦笑いを浮かべる。

「ほら、行くぞ」匠ちゃんは、遥さんの手を取りそそくさと退場させようとする。

しかし、立ち上がったものの、遥さんの足取りはフラフラしている。

「まあ、どうしましょう歩けないわ、匠!」

再び遥さんはペタリとソファーに座り込む。

「燁子!お前どうしてこんなになるまで遥を飲ませた?!」

「ええ!私?!」

とうとう匠ちゃんは切れた。そして何故か怒りの矛先は私に向いている。

「やあねえ、匠、私達は止めたわよ?」私と匠ちゃんの間に長女が立ちはだかった。

「でも遥さんは聞かなくってね。ストレスでも溜まってるんじゃない?」晴子姉さんがチラリと匠ちゃんに視線を向ける。

「何か嫌な事でもあったのかしら」私もすかさず乗っかった。

「双子もまだ手がかかるから、たまには息抜きも必要かもな」

子どものせいにして匠ちゃんはすっとぼけたので、晴子姉さんはピクリと眉根を動かした。

ああ、切れたな…

そう思った瞬間、穏やかな晴子姉さんの顔が鬼軍曹のような恐ろしい表情になる。

「匠!」

突き刺さるほど鋭い声で弟の名を呼びつけた。

「可愛い奥さんなんだからちゃんと大事にしなっ!」晴子姉さんは腰に手を当て一喝する。

「…はい、すみませんでした」

迫力に押されて匠ちゃんは項垂れた。

さすが長女…嫁に行っても、葛城兄弟の頂点は長女である。
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