冷徹執事様はCEO!?
片付けてをサッサと済ませると、先ほどの出来事を稜に話したくて急々と部屋へ戻った。

しかし、しこたま飲まされたのか、稜はベッドに潜り込み、天使のような顔で寝入っている。

なんだ、ツマラナイ。

しかし、起こすわけにもいかないので、私はシャワーを浴びにいくことにした。

熱めのお湯を頭から浴びるとアルコールが身体から抜けていくようだ。

お風呂から上がり、化粧品で肌を整える。濡れた髪をドライヤーで乾かすと、ようやく眠る準備が整った。


稜を起こさないように、そっとベッドに潜り込む。

「燁…子?」稜がゆっくりと目を開いた。

「ごめんね、起こしちゃった」

「ん、大丈夫。待ってたから」ニコリと無邪気な笑みを浮かべて、私を胸元に抱き寄せる。

「稜、今日はありがとう」

「何が?」眠たそうな声で呟く。

「私と家族を再び繋げてくれたのは稜のお陰ね」私は腰に手を回し、広い胸に頬を寄せる。

「今の俺があるのは、あの日燁子に会ったからだ」

「どうゆう事?」私はむくりと身体を起こすと、瞳を輝かせて稜の方へ向き直す。

「話せば長くなる。こうやって燁子が擦り寄ってくるようになるまで、10年間もかかったんだから。全く野生動物でも手懐けるのに、ここまで時間はかからない」

「失礼ね、人を狸みたいにいって」私は不満気に目を細めた。

「これから話す時間はたくさんある。だから、今は互いの仲を深めよう」

稜は、すかさず私の唇を奪ってきた。

「ちょ…稜っ」

私は身を捩って、思考停止に陥るキスを何とか回避した。
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