君の瞳にうつるのは
どれくらい寝ていたのだろう。

それでも気配を感じて覚醒する。

足音を殺しながら階段を登ってくる。
登りきって一度、立ち止まった。

こちらを確認しているようだ。

ゆっくり歩き、錠に手をかける。
よほど注意して歩いているのか、足音は全くといっていいほどしない。

足音は、しない。

しないのだが、残念ながら呼吸は荒い。
バレバレである。

呼吸以外にも、布が擦れる音もしている。
これで足音を消しても意味がない。


あと少し…


こんな状況では、寝たふりもなかなかつらいものだ。
つい動いてしまいそうになる。

足音だけはしっかり殺しながら、あと一歩という所まで気配が近づく。

さらに寝たふりをしていると、呼吸だけが徐々に荒くなっていく。
布のすれる音も激しくなる。

「くっ…」
興奮しているが、押し殺した声。
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