その光を、追いかけて。








「落ち着いた?」

「うん、ありがとう……」



すん、と鼻をすする。

数年分と言っても間違いじゃないくらい泣いて、泣いて。



仁葉の涙が枯れた頃、輝くんがスマホを取り出した。



「梓も呼んでやろう。
ちゃんと話したいだろ?」

「でも、もう梓ちゃんはおうちなんじゃ……」

「今日はあいつは先生に呼び出し食らってるから校内にいるよ」



え、それってどうしてなんだろう。

梓ちゃんは人付き合いは今だに苦手だけど成績は優秀なのに。



「最近、あいつ仁葉のことで悩んで勉強が手についてなかったみたいだからな。
そのせいだろ」



つまり……仁葉のせいってことなんだ。






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