雨音はショパンの調べ
「雨音はショパンの調べ」なんて昔、歌の歌詞にあったけれど……本当にそうね。


実感してる。


貴方と別れて、私は煙草の味も覚えたの。


雨が降るたび、眠れない夜を過ごしながら、ちっとも美味しいとは思えないのに……。

日毎に、煙草の本数が増えた。


煙草を吸ってる貴方の横顔が、好きだった。


煙草を手にした、貴方の指が好きだった。

煙草を吸ってると、貴方が傍にいてくれる気がしてた。


愚かな女ね……。


あれから1年も経つのに。

まだ、貴方を思って泣けるなんて……。

ゆっくりと珈琲を飲み終える。

いつの間にか窓を打つ雨音は、穏やかに優しくなっている。


霧のように煙る雨が時折、銀色に光る。

私は煙草に火を点し、揺れる煙を見つめながら、何度目かの溜め息をつく。


もう、泣かないわ。


私は覚悟を決めて、席を立つ。
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
御堂律 29歳 御堂記念総合病院 理事長の息子 氷の神の手とまで言われている天才外科医 俺様、冷徹だが実はツンデレ 葵だけには、何故か優しく過保護 一ノ瀬葵 22歳 特発性難治心筋症の患者 重い心臓病たが、性格は明るいほう 律が自分にだけ優しいのを、疑問に思っている ※医療用語が多いです 度々、出てくる 「プロトコル」は「診療計画、診療ガイドライン」のことです チェストピースは聴診器の胸に当てる部分のことです
金木犀の奏鳴曲(ソナタ)
竹久祐/著

総文字数/35,928

恋愛(純愛)98ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
雨シリーズ8弾 【「金木犀の奏鳴曲(ソナタ)」】 「雨に似ている」 →「金木犀のアリア」 →「風は囁くー君と輝きたいから」 →「金木犀のエチュード」 →「風の詩ー君に届け」 →「ROSE ウィーン×横浜」 →「LIBERTEーー君に」 →「庭の千草」狂詩曲(ラプソディー)】 に続く ✴✴ーー【雨に似ている】シリーズ続編ーー✴✴ ★本作は、単独でも楽しんでいただけます 【「金木犀の奏鳴曲(ソナタ)」】

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop