ダイヤモンドの未来
「もしもし。」

「もしもーし、隼人さん?」

いつもより間延びして、高い声の香江。

しかも、ナチュラルに名前で呼んでくる。

真美が呼んでるからか?

「どうした?」

「えーと、真美さんが電話してくれて…話したいなって思って。今、まだ外ですかー?」

話したいなんて初めて言われた。

舌ったらずな、のんびりした口調。

不意に、前に真美が言っていた言葉が浮かぶ。



『香江ちゃん、酔うとかわいいんだよ。』

そういうことか…。

「あー、三次会。」

「すみません。」

謝るところは相変わらず。

「いや、男同士でのんびり飲んでるだけだから。」

「保田先生は一緒じゃないんですかー?」

口調が急に寂しそうなものに変わる。

酔っ払いの定番で、話しに脈絡はなく、喜怒哀楽が激しいタイプなのか。 

「保田?いっしょじゃないよ。」



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