ダイヤモンドの未来
保田と付き合っていたのは、研修医2年目まで。

お互い、いそがしくなり、研修医で自分のことに精一杯で、彼女を支える余裕はなく、というか、会うことすらままならず、すれ違い、別れた。

同期としての付き合いは続いているが、それだけ。

「なんか、看護師が保田に聞いたら、含みをもたす返事をされたらしくて。」

「はぁ?」

また、同じことを言ってしまった。

「この間、学会もいっしょだったんだろ。」

「あぁ、それは、同期として症例について聞かれてたら、形式上、共同演者になった。学会自体にも興味があったから、行ったんだけど。」

論文を書くときに、疑問があったときや症例が必要なとき、声をかけやすいのはその分野の専門の同期だ。

それは、蒼介にも分かっているらしく、納得はしている様子。

「ただ、院内の噂はそうじゃないらしい。過去に付き合いがあって、今は…みたいに盛り上がってるらしいぞ。」

香江も知っているんだろうか…ああ、だから、最近の電話は一段と静かだったのか…。

「真美が、香江ちゃんに会ったら、伝えとくって言ってたけど。
本人に聞かれてないのか?」

「ああ。とりあえずありがとう。今度話してみる。」

そんな、会話をしながら仙台へ向かった。
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