ダイヤモンドの未来
それにしても、真美にばれたのは早かった。

年が明け、通常の診療が始まる日の朝、入院患者の状態を確認するため、外来前の早めの時間にナースステーションを訪れた。そこには日勤の真美がすでに来ていた。

「おめでとうございます。」

年明けの挨拶だから間違ってはいないが、病棟で言われたそれに、怪訝さを隠せないまま、

「明けましておめでとう」

と返す。

「そのおめでとうじゃないですけどね。口説いてとは言ったけど…大事にしてあげて下さいね」

と笑いながら言われて気づく。

それにしても、

「早いな。」

「美穂から聞きました。大学の整形の林。」

「あー。」

つながった。

「点滴もしてくれたし、大晦日の当直もしてくれたしって言ってましたよ。」

「まあな。点滴は、ナースがいそがしそうだったからな。」

基本的に、大きな病院になり、年を重ねるほど、医者が点滴や注射をする機会が減っていく。ナースがいそがしそうだったから、用意していた点滴をつないだまでだが。まぁ、本心は香江の顔を見たかったに他ならないが。

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