エターナル・フロンティア~後編~
レナへの質問は複数存在しているが、特に彼女に聞きたいのは「何故、プロジェクトを立ち上げたのか」と「育ての親の心情」の二つ。これが判明しなければ、ソラは先に進めない。
ああ、どうか――
現在、崇められなくなった神に無意識の中で祈りを捧げてしまう。勿論、神からの回答はない。それでも祈りを捧げるということは、それだけソラの精神面が激しく不安定だった。
◇◆◇◆◇◆
いらっしゃい。
そのように言葉を発していたが、どちらかというとレナの反応はいい方ではない。以前出会った頃と違い、内に何か複雑なものを抱きかかえているという雰囲気を簡単に見て取れた。
しかしソラの後を続くようにポテポテと歩いているリオルの姿を見た時、レナの表情が変化する。その愛らしい姿に心を揺さぶられたのか、徐々に口許が緩んでいく。だが、それは一瞬の出来事。ソラの姿に視線が移った瞬間、先程の暗い表情に変わり言葉数が少ない。
「犬、いいですか?」
「ええ」
「……良かった」
レナの許しを得られたことにソラはホッとすると、自分の後を追ってくるリオルの身体を掴み抱き上げる。すると珍しくリオルが嫌がる素振りを見せるので、慌てて解放してやる。どうやら家の中を探検したいのだろう、解放と同時にリオルは何処かへ行ってしまった。
「元気ね」
「ただ、彼にしか懐いていません。勝手に触れると引っ掻かれますので、ご注意をコーネリアス博士」
「そうなの?」
「部下がやられました」
「きっと、何かがあったのね」
流石、人生経験が豊富だけあって瞬時にリオルが持つ背景に気付く。また、珍しくユアンに対し厳しいことを言い、彼を苦笑させてしまう。これもまた彼の本質を的確に突く言葉で、リオルがどうして嫌っているのか話していく。
だが、そのようなことを聞きたくて尋ねたわけではないのでユアンは途中で言葉を制すると、早く本題に入って欲しいと促す。