エターナル・フロンティア~後編~

 少年の名前は、ヨシュア。年齢は10歳で、活発な少年というわけではなくどちらかといえば大人しい性格の持ち主。唯一ヨシュアが他の者達と違っていたのは内に秘めているキャパシティの量で「稀に見る」という言葉が似合い、研究や実験に参加している者達を驚かせた。

 ヨシュアが持つ強大な力が自身の運命を一変させ、周囲は彼を研究し今後の発展に繋げようと躍起になるのだが、大半の本音は己の出世の道具に利用する。

 しかし相手は10歳の幼い少年で、身体は強い方ではない。結果、度重なる実験や研究は身体に負担となってしまい、確実に寿命を縮める。

 そして、一年後――ヨシュアは命を落とす。正確に言えば彼等に殺害されたというべきか、ヨシュアの死亡は大きな損失となる。彼が死亡してしまったことにより全てが中断してしまい、これ以上の発展が望めなかった。だからといって諦めが付くものではなく、失った物が巨大過ぎた。

 どうすればいい。

 わからない。

 何故、死んだ。

 高い知力や技術を持っていようが、一度思考を混乱させてしまうと冷静な判断が行えない。彼等はヨシュアが命を落とす根本的な原因を作った者を捜し、汚い言葉で罵り合い絆を壊す。

 お前が悪い。

 いや、お前が。

 違う。お前だ。

 言葉の押収が結論を拒み、それどころか悪循環に陥る。だが、ある人物の言葉が現状を打開し、レナが参加したプロジェクトの発端となる。そう、同じ物を自分達の手で造ればいいと――

「それで、オレが……」

「ええ」

「違う意味で、望まれたのですね」

「プロジェクトの発端当時は、そうだったわ。でも、途中から……貴方の義父アレクが変わったわ」

「養父(ちち)は、とても優しい人でした。オレが養母(はは)に殺されかけた時、身を持って助けてくれました」

「ああ、それは……」

 唯一の救いといえば己の母体が道具に使用され、その子が両親のどちらの血も引いていないということを知らなかったことか。いや、どのような形であったとしても誕生した子供が普通では有り得ない力を持っているということは変わらず、それが精神の崩壊を招いた。
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