エターナル・フロンティア~後編~
愛らしい態度を見せるリオルにソラは優しく微笑み返すと、両手でリオルの身体を掴むとそっと自身の胸元に抱くと、レナに一緒に連れて行くと話す。別に連れて行って不都合な出来事が発生するわけではなく、それに邪険に扱っては可哀想だ。また、こう見えて空気を読むのが上手い。
ソラの言葉にレナは頷くと、廊下の一番奥まった場所にある部屋に案内し、この中に入るように促す。彼女が案内した部屋は俗に言う「書斎」と呼ばれている場所であったが、あまり物が置かれていないのでシンプルという言葉が似合い、何処か物悲しさが感じられた。
彼が完全に入室したことを確認すると、レナも後に続き外部に互いの会話が漏れないようにと扉を閉める。そして部屋の端に置かれたテーブルの引き出しを開き一枚のディスクを取り出した。
「これを貴方に」
「何でしょう」
「貴方の養父――アレクが残した物よ。彼が殺害される一週間前に、私のもとに来て置いていったわ」
「中身は?」
「わからないわ」
しかし今思えば、自分の死を予期していたのかもしれない。仲間を裏切りソラを勝手に連れ出した責任は重く、それをいつか清算しないといけないことはアレク自身もわかっていた。
遅かれ早かれいつか仲間達が自分の目の前に現れ、命を奪う。だから唯一信頼できるレナを訪ね、これを残した。それは憶測の範囲であるが、ソラはレナの意見が正しいのではないか思う。
「中を観たいです」
「いいわ」
「お借りしていいですか?」
「ええ、いいわ。それと、このことに関して私は何も見聞きをしないでおくわ。外にいるから、終わったら呼んで頂戴。それのパスワードの設定していないから、そのまま使えるわ」
そう言葉を残し、レナは書斎から立ち去る。静寂が支配する室内に響くのは、扉が閉まる音。ソラは抱きかかえていたリオルを床に置くと、テーブルの上に置かれているパソコンを起動した。
一体、この中に何が入っているというのか。自分の出生の秘密を聞かされ、それに養父が関わっていたということを聞かされた今、この中に納められている内容が自分を更に苦しめるものではないかと恐れてしまう。それに伴い、ディスクを持つ手の震えが止まらない。