エターナル・フロンティア~後編~
相手を思い、その身を心配する。それが唯一ソラに対しての罪の償い方で、自分も貴方の味方と伝える。レナの心情にソラは微笑を作り頷くと、一言「有難う、婆ちゃん」と返す。それは短い言葉であったが、ソラがレナに抱いている感情が全て詰まったものといっていい。
「また、来てもいいですか?」
「ええ、勿論」
その時、忘れないで欲しいとばかりに自分の存在をアピールかのようにリオルが鳴きだす。リオルのアピールにレナは口許を緩めると、ソラと共に来ていいと告げる。主人と一緒に来ていい。許しを得られたことが嬉しいのか千切れんばかりに尻尾を振ると、可愛い声で鳴く
ソラは尻尾を振り続けているリオルの頭を撫で身体を優しく抱き上げると、自分の胸の前で抱く。そして自分も帰ることを告げると頭を垂れ、リオルと共にレナの自宅を後にした。
◇◆◇◆◇◆
ユアンが先に帰ってしまった今、公共の乗り物を使用し帰宅すればいいだろう。頭の中で乗り換えの方法を考えていたソラの前に姿を現したのはユアン。彼が出てくるところを捕獲しようと計画していたのか、ユアンはレナの自宅の前に車を停車させ玄関先を塞いでいた。
「帰られたと思っていました」
「まさか」
「で、何でしょう」
「送る」
「自分で帰ることができます」
「その犬を連れてか?」
彼の引っ掛かる言い方に、ソラは理由を問う。その無知といわんばかりの返しにユアンは肩を竦めると、リオルを入れるケースを持っているかどうか尋ね、更に付け加えるように動物と共に公共の乗り物に乗る時は専用の入れ物が必要だということをソラに説明していく。
「忘れていました」
「だから、君を送る」
リオルと共に公共の乗り物に乗れない今、残されている選択はひとつしかない。それにソラの性格上、リオルをレナに預け自分だけ帰宅というのは行わない。彼のあらゆる面を熟知しているユアンは共に行くことを選択すると確信しているのだろう、車に乗るように促す。