エターナル・フロンティア~後編~
ソラの強力な力で邪魔者に一泡吹かせてやりたいと考えているのか、ユアンの誘いは続く。先を読みイリアに言葉を掛けたのか、それとも彼が言っているように頭が良く能力研究に興味があったから誘っただけか。
前者の場合、ソラは不快感の方が強い。イリアが幼馴染の身体を想い能力研究に興味を持つことに関しては、彼女が選択した人生なので横からソラがあれやこれやと言う権利はない。
そして、誰かに教えを請うというのならユアン以外の人物がいい。タツキやクリスの他に能力研究の第一人者のレナでもいいのだが、現在の状況だとユアンはイリアを引き入れるに違いない。
彼がいる場所は能力研究の深い部分で、その部分を彼女に見せてしまうのか。ソラは同行の返事を返す前にイリアをどうしたいのか尋ねると「お前はどうしたい」と、返されてしまう。
「貴方の裏の性格を考えると、無理に引き入れるでしょう。侮れない性格をお持ちですので」
「酷いな」
「それに彼女が目指していたのは、別の分野です。確かに貴方が言うように、この分野の勉強を望んでいます。ですが、知らなくていいモノもあります。特に、貴方がいる場所は……」
「血が流れるからか」
「誰が悪いのですか」
誰も、自分から望んで血を流したいとは思わない。しかし研究の名目上、彼等は多くの血を流す。叫ばれる慟哭は一部の者達の神経を狂わせ、タツキのように第一線から退いてしまう。
未知の力を解明すれば、危険視している奴等の信頼を得ることができる。そうユアンは言うが、果たして彼の言葉の通り信頼を得ることができるのだろうか。長い年月の迫害しそれが当たり前になっている現代、明確な安全性を提示されても受け入れるには時間が掛かる。
無知無能の者は、相手にしなくていい。それにソラ達の内面を理解しているのは、研究に携わっている者。だから信頼を置いている幼馴染があらゆる面を知っている方が利点が多いので彼女を誘ったのだとユアンは説明するが、ソラは最初と言っていることが違うと指摘する。
「……バレたか」
冗談だと言っているが、ユアンの性格が性格なので冗談として受け取ることができない。同行に対していい返事を期待しているのではないかと勘繰ってしまうが、第一にイリアの身を心配しないといけない。だから「イリアが一緒に行く」と聞いた時に、ソラは即答できた。