エターナル・フロンティア~後編~
流石のユアンもしつこい彼等の言葉に我慢の限界に達したのか、低音の声音で三人を威嚇する。殺気が篭った声音に、三人はたじろぎ「やし過ぎた」と自分達の行動を後悔するが、一方的に好き勝手に言われ、尚且つ謝罪まで求められている状態でユアンが許すわけがない。
何事も、限度というものがある。しかし図に乗ってしまったのか、彼等は限度を越えてユアンに言葉をぶつけていた。その結果、ユアンの逆鱗に触れ追い詰められてしまう。ユアンの変化にソラは顔を顰め、心の中で「余計なことをした」と、三人に行動に呆れてしまう。
見たこともないユアンの変化に、イリアは無意識の中でソラの服を掴む。彼女にとって普段のユアンは温和で優しく、そして知的な男性。また多くの者から尊敬を浴び、高い地位に就いている。そのような人物が、冷徹と呼べる声音で相手を威している。イリアにとって、信じられなかった。
「全く、此方が黙っていればベラベラと……言いたいことは、それだけか? 本当に、煩い」
このような一面が表面に出た場合、徹底的に相手を追い詰めていく。現在、ユアンの中に「容赦」という言葉は存在しない。この場所で血を見ることはないだろうが、目撃者がいなかったら三人の命を奪っているだろう。一番の残忍な方法を用いて、じわじわと甚振る。
「この世界は、実力がモノを言う。それはわかっているだろう? なら、君達は実力を示せばいい」
「示している」
「それで駄目だというのなら、諦めるしかないです。それに、貴方達は最初から諦めている」
痛いところを突かれたのか、三人はユアンの言い分に反論できない。世の中「努力をすれば必ず報われる」と言われているが、努力を続け懸命に足掻き続けたところで報われないことも多い。その中でユアンは別格の存在で、どのように頑張っても越えることができない。
だからこそ憎しみが湧き、ユアンを罵った。だが、それにより痛すぎる反撃を受け、無数のトゲが含む言葉で甚振られている。このままではやられてしまう――と身の危険を感じ取ったのだろう、三人は自分から攻撃を仕掛けたというのに尻尾を巻いて逃げ出そうとする。
「逃げるのですか」
何気ない言葉に三人の脚が止まるが、決してユアンに視線を合わせようとはしない。合わせれば確実に仕留められるとわかっているのだろう、顔色も悪い。ユアンからの殺気に怖気づいているのか肩で呼吸し、一瞬でも緊張を緩めれば意識を持っていかれそうな雰囲気だった。