エターナル・フロンティア~後編~
特に彼等のような人物はネチネチと相手に付き纏う人物は、長い年月根を持つタイプといってもいい。案の定、彼等の行動は予想通りのもので最後の無駄な足掻きを起こす。その攻撃に対しユアンより先にソラが反応を見せ、自己防衛ということで力を使用してしまう。
無意識の中での力の使用ということで、上手く力の制御ができないでいた。結果、圧縮された空気が衝撃波に変化し、それが三人に襲い掛かり後方に吹き飛ばす。相手側も予想外の攻撃に戸惑いを隠せず、防御することなく攻撃をまともに受け全身を壁に強打させてしまう。
力が使用された。
この中に能力者(ラタトクス)がいた。
周囲に、動揺が走る。
無意識での力の使用だということはわかっているが、力を使用したソラも身体を小刻みに震わせ動揺を隠せない。ソラが力を使用したことにユアンは顔を歪めると、反射的に彼の身体を自身の胸元に引き寄せると小声で囁く。「何をしている」それがユアンの心情であった。
「……博士」
「今回は、仕方ない」
「すみません」
「二度と、この場で使うな」
「……はい」
「薬があって、助かったな。精神面を安定させろ。二度目の使用は、お前の立場を悪くする」
「……わかっています」
「それならいい」
このような時にも薬を所持しているとは、何と用意がいいことか。普段のソラであったらそのように皮肉めいた言葉を掛けるが、力を使用した今、ユアンが所持していた薬が彼の助けとなる。現在、精神状態はいい方ではなく、薬の力によって強制的に抑え込まないと後が厄介だ。
謝ったところで力を使用した現実が消えるわけではないが、ソラは謝るしかできないでいた。今回の出来事で一番驚いたのは、イリアだった。面と向かってこのように力を使用している現場を目撃したことがなく、尚且つ彼が使用した力によって第三者が傷付けられた。
昔、イリアはソラに力を使用している現場を見たいと言った。それを目撃した今、言葉が出ない。幼馴染が凄い力を持っているので好奇心が疼いたといえばそれまでだが、目撃した今、自分がソラに向かって言ったことが間違っていたことを知り、イリアは目元に涙が浮かぶ。