エターナル・フロンティア~後編~
「ソ、ソラ」
「……御免。暫く……」
肌から伝わってくる幼馴染の温もりが心地いいのか、身体を抱き締める腕に力は篭る。一方、抱き締められているイリアは動揺と緊張感の中で過ごし、同じように肌から伝わる温もりに抱かれる。そっとイリアは鍛えられた逞しい胸に顔を埋め、ソラの心音を耳に聞く。
静寂が覆う室内に、二人の心音が混じり合う。イリアは最初、動揺と緊張の影響で心音を乱していたが、徐々に現在の状況に慣れていったのだろう心音は落ち着きを取り戻し安定する。ソラはイリアが落ち着いたことがわかると徐に口を開き、過去の出来事を語りだす。
「そういえば、オレ達が出会ったのは……」
「そう、小さい頃。確か、ソラが自宅の横に引っ越してきて……あの時のソラは、可愛かった」
「か、可愛い!?」
「うん。あの時は、可愛かった。でも、今のソラは違う。面影は残っているけど……今は……」
それ以上は言い難いのか、途中からイリアの声音が小さくなっていく。確かに幼少の頃のソラと成長した現在のソラは、外見は大幅に異なっている。逞しく筋肉質の体格の他に、彼の容姿は異性を引くに十分だ。それに、異性の目を挽き付けるだけの魅力を兼ね備えている。
イリアも成長に伴い容姿も変化していくが、美しく成長というより可愛らしく成長したといって方が正しい。だからといって容姿が悪いわけではないが、ソラと見比べてしまうとどうしても卑屈になってしまう。それに悔しさを抱いてしまったのか、顔を上げソラの顔を凝視する。
「何?」
「ソラって、イケメンね」
「いきなり、何だ?」
「ソラって、かっこいいし……幼馴染といって、側にいていいのかしら。もっと、美人な人が……」
「そういうこと、気にしていたんだ」
「アカデミー時代も、美人な人が多かったの。そういう人って、イケメンの人と付き合っていて……」
余程、自分の容姿に自信がないのだろう、整った顔立ちを持つソラの側にいていいものなのかと、迷いを言葉に表す。それに対しソラは頭を振ると、自分の側にイリアがいてもいいと言う。また彼女が側にいてくれる方が落ち着き、他の女性では感情が伴わないと付け加える。