エターナル・フロンティア~後編~
ソラは女性を外見で選ぶことはせず、内面が美しい女性の方がいいという。迫害される力を持っているからこそ、それを理解し受け入れてくれる女性がいい。だからイリアが側にいて迷惑ということはなく、このまま側にいてくれるというのならこれ以上嬉しいことはない。
それがソラの本音と知ると、イリアの表情が明るくなる。彼女にとって相当嬉しかったのか、自分もソラの側にいたいと話す。彼女からの嬉しい言葉にソラは口許を緩めると、そっと髪を撫でる。このようなことをされた経験がないイリアにとっては気恥ずかしく、俯くと無言になってしまう。
彼女の初々しい反応に、イリアは特定の誰かと付き合った経験がないことを雰囲気で判明する。といって、ソラも特定の誰かと付き合った経験を持っていない。自身の力を悲観し、本当に心を許せる人物しか付き合うことをしない。だから今も一人で過ごし、生活している。
それが辛く哀しいも日々で、時折卑屈になってしまうことが多々あった。それでも懸命に生き、生活の中から微かな幸せを見付けようとしている。ソラにとって今がそれにあたり、イリアと他愛のない会話をしていることさえも、彼にしてみれば幸福のひとつであった。
「ねえ、ソラ」
「うん?」
「ソラって、好きな人はいるの?」
「……いる」
「本当?」
「嘘じゃない」
ソラに特定の誰かを好いているということがわかった瞬間、ますますイリアは気分が落ち込んでしまう。その人物が誰なのか聞こうとするが、それを聞いたら自分の心を深く傷付けてしまうのではないかと、ソラが好いている人物について尋ねることができないでいた。
「いいと思うわ」
「イリア?」
「ソラはお父さんが亡くなった後、ずっと一人だったもの。好きだっていう人と、一緒になった方がいいわ。その方が、ソラの為になるもの。私、小さい頃からのソラを知っているから、幸せになって欲しいの。多分……きっと……タツキさんやクリスさん、それに友人も喜ぶわ」
ソラは、自分のことを認めてくれた。それは嬉しいことだが、彼が好きと言っている自分の方が側にいた方がいいし、相応しいと思っている。だから自分は身を引き立去った方がいいと感じたのだろう、イリアは身を捩ってソラから逃れると、その人に告白した方がいいと提案する。