天才に恋をした

18-3

「でっか!」

スカイツリー、近くで見るとスゴい。

建物って言うより、デカイ木が生えてきたみたいだ。



「苗、道分かるのか?」

「うん」



そうだよな。

記憶力は抜群だからな。



細い路地をしばらく歩く。

もう誰も歩いてない。

一方通行ばっかじゃん。

車で来たら、面倒だな。



苗が立ち止まった。

小さな神社の前だ。

六人くらいの子供が遊んでいた。


そういえば、まだ初詣してない。



「お参りする?」



苗は黙ったままだ。

いいや。

俺だけでも。



さい銭を入れて、

鈴を鳴らして…




「鈴が先だよ!」

「手を洗ってないよ!」

「口もゆすぐんだよ!」



なんだなんだ?

ガキが、超バッシングしてくる!


あ!


苗のやつ、ちゃっかり手洗ってるし!


でもガキに指導されてる。


「手を洗って!こうやってこうやって!」


下町ナメてたわ…

うちの近所に、こんなアクティブに絡んでくるガキはいない。
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