天才に恋をした
小さな女の子が聞いてきた。


「…僕たち結婚できますようにって、お願いしたの?」

「これは妹っ」

「ウッソ!似てない!」

「全然似てない!」



ガキが騒ぎだす。



「だってさあ、こっちのお姉ちゃんは優しくてボヤーっとした顔じゃん!」

「お兄ちゃんは目がキツくて、顔が濃いじゃん!?」



コイツら…



一人の女の子が縄を振り回しながら、爆笑していた。

小五くらいか。



似てる…

似てる…!




苗もガン見してる。

迷惑そうに別の子が言った。


「キエちゃん、縄コワい」


キエちゃんと呼ばれた、その子は得意気に二重飛びを始めた。

苗は黙って、それを見つめていた。
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