天才に恋をした
そこに苗がいた。



「おっ…お前何やってんの?」

「家に帰る」

「じゃなくて、どこ行ってたんだよ?」

「テスト受けてきた」

「何のテスト…?」

「学力テスト」

「そんなのまで受けてんの!?」


苗がうなずく。

学校以外の外で会うって、新鮮。



「お前、白いコートなんて持ってたんだ…」

「陽子さんから、お誕生日プレゼント」



そうだ…



「今から出かけないか?」

「どこ?」

「あんまり遠くはムリだけど、台場とかスカイツリーとか」

「スカイツリー…」


おっ…反応した。


「行ったことある?」


苗がうなずいて言った。


「…妹のところ」
< 99 / 276 >

この作品をシェア

pagetop