天才に恋をした
「名前は何て言うの?」

陸玖が苗に聞く。

「陽人くん」

苗が弾んだ声で答える。



コーヒーをいれながら、なんだか変な気がした。



静か過ぎる。



見ると、苗は陽人を嬉しそうに見つめていた。

陸玖は、背中しか見えない。


それでも…分かった。

血の気が引いた。




陸玖が見てるのは、




苗だ。





「宮崎さん」

と陸玖は言った。



「今日から、下の名前で呼んでもいい?」

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