天才に恋をした
脱衣所のドアを開けた途端、風呂上がりの苗とぶつかった。



「おっ、悪ぃ…」



苗は全身を固くして、壁に背中を押し当てている。

決して顔を上げない。




「…なんだよ。出ろよ」


苗が慌てて、外へ出る。



風呂上がりの香り。

いっしゅん、アタマがよじれる。



俺は中に入り、すかさずドアを閉めた。
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