天才に恋をした

24-3

ホテルでの夕飯は、盛り上がり過ぎて全員が角田状態になった。

「イッキ!イッキ!」


もちろん、酒なんか飲んでいない。

「いやいやいやあ!炭酸水の一気はツライわー!」

全員、バカになっていた。



「えー!じゃあ、外部の大学ってことー!?」


背後から、声が聞こえてきた。


「そう。やっぱり狭い世界にいたくないじゃない?私は最初からそう決めてたから」

乃愛の声が聞こえる。


そういえば、角田がなんか言ってたな。

誰かのツッコミが入る。

「え…だって大学の方が近いって言ってたじゃない」

「そうなんだけど、それはもちろん、一つの選択肢で、私としてはそれだけじゃないなって思ってた。うん」



どうでもいいや。

誰かが、コーラを回してきた。


「次、真咲~!」

「ええ~俺ぇ?」

「イッキ!イッキ!」

俺はグラスを手に取った。



「外部受験なんて、考えてみたこともないわ」

「今更ねぇ」


すると、乃愛が言った。

「でも私が特別ってわけじゃないよぉ?C組の宮崎さんもだし」


手が止まった。

グラスを置いた。
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