天才に恋をした
親父のドゴウ
28-1
「行くって…ナニそれ」
親父は、すぐに意味が分かったらしい。
怒るよりも呆れた声だった。
「無理でしょ」
あっさり言った。
俺は続けた。
「いや。俺も行く」
「何のために?お前が行って、どうするんだよ?意味分からないよ」
ようやく、母ちゃんにも飲み込めたらしい。
「行くって…留学のこと?」
「まぁくん、留学するの?」
姉貴が呆気に取られた声を出す。
「陽子、しばらく黙ってて」
親父が制する。
「お前、おかしいよ。今まで一度も留学したいなんて言ったことないじゃないか」
「ない。でも留学する」
「ナニを言ってんだ…お前はぁ…」
親父は、天を仰いだ。
「いいか?ワッダーパークの外国人枠は三十人しかないんだぞ?
アジア人は毎年五人前後しか受からない。
今さらお前みたいなサッカー馬鹿が受けて、入れるような甘いもんじゃないんだよ」
母ちゃんが、姉貴に目配せする。
姉貴は、苗から陽人を受け取ると、リビングから出て行こうとした。
「苗ちゃんも…」
「苗は居てくれ」
俺は言った。
親父は、すぐに意味が分かったらしい。
怒るよりも呆れた声だった。
「無理でしょ」
あっさり言った。
俺は続けた。
「いや。俺も行く」
「何のために?お前が行って、どうするんだよ?意味分からないよ」
ようやく、母ちゃんにも飲み込めたらしい。
「行くって…留学のこと?」
「まぁくん、留学するの?」
姉貴が呆気に取られた声を出す。
「陽子、しばらく黙ってて」
親父が制する。
「お前、おかしいよ。今まで一度も留学したいなんて言ったことないじゃないか」
「ない。でも留学する」
「ナニを言ってんだ…お前はぁ…」
親父は、天を仰いだ。
「いいか?ワッダーパークの外国人枠は三十人しかないんだぞ?
アジア人は毎年五人前後しか受からない。
今さらお前みたいなサッカー馬鹿が受けて、入れるような甘いもんじゃないんだよ」
母ちゃんが、姉貴に目配せする。
姉貴は、苗から陽人を受け取ると、リビングから出て行こうとした。
「苗ちゃんも…」
「苗は居てくれ」
俺は言った。