天才に恋をした
苗はただ事の成り行きを見ていた。
テレビでも見てるみたいに。
「苗ちゃんか。お前、苗ちゃんが行くから自分も行くって言うのか?」
「そうだよ」
「何だよ、ソレ。話になんないよ。じゃあ、お前は苗ちゃんが南米に行くっていったら南米に行くし、北極に行くって言ったら北極に行くのか?」
「そうだよ」
そうとしか答えようがない。
親父が、苛立ったようにテーブルを叩いた。
「ふざけんなよ。お前はこれから一生、苗ちゃんの後を追っかけてくのか!?」
「一緒に行く」
「そんなの…それでも男かよ。お前自身の人生は?え?どうなるんだよ!」
「俺は苗と行く。どこだって行く」
親父が遮る。
「情けないと思わないのか!お前がちゃんと大学卒業して、仕事して、苗ちゃんを食わしてくって言うんなら分かるよ!」
親父はテーブルの上で拳を握りしめた。
「オンナが外国に行くからボクも行きますなんて情けないだろっ!!」
親父は、俺をにらみつけて言った。
「ないない。そういう事言い出すには、十年早い」
俺は必死で呼吸を整えた。
試合中だって、こんなに緊張しない。
「俺は行く。誰が何て言おうが関係ない」
親父は、大げさなため息をついた。
「ヒロさん、この馬鹿になんか言ってやってよ。俺の手には負えないわ」
テレビでも見てるみたいに。
「苗ちゃんか。お前、苗ちゃんが行くから自分も行くって言うのか?」
「そうだよ」
「何だよ、ソレ。話になんないよ。じゃあ、お前は苗ちゃんが南米に行くっていったら南米に行くし、北極に行くって言ったら北極に行くのか?」
「そうだよ」
そうとしか答えようがない。
親父が、苛立ったようにテーブルを叩いた。
「ふざけんなよ。お前はこれから一生、苗ちゃんの後を追っかけてくのか!?」
「一緒に行く」
「そんなの…それでも男かよ。お前自身の人生は?え?どうなるんだよ!」
「俺は苗と行く。どこだって行く」
親父が遮る。
「情けないと思わないのか!お前がちゃんと大学卒業して、仕事して、苗ちゃんを食わしてくって言うんなら分かるよ!」
親父はテーブルの上で拳を握りしめた。
「オンナが外国に行くからボクも行きますなんて情けないだろっ!!」
親父は、俺をにらみつけて言った。
「ないない。そういう事言い出すには、十年早い」
俺は必死で呼吸を整えた。
試合中だって、こんなに緊張しない。
「俺は行く。誰が何て言おうが関係ない」
親父は、大げさなため息をついた。
「ヒロさん、この馬鹿になんか言ってやってよ。俺の手には負えないわ」