天才に恋をした
問題を暗記って。
そんなことできるか?
できたとして、じゃあ問題が変わったらどうするんだ?
俺は陸玖が言ったことを思い出した。
―乃愛は気が付いてるはずだよ―
―じゃあ何で言わないんだ―
―下心があるからね―
俺は、陸玖と別れて苗を呼び出した。
実は、一緒に暮らしてても、ほとんど顔を合わせないんだよな。
部活に入っていると、帰宅部の苗とは生活リズムが違うから。
もはや「ああ、こんな顔してたっけ」のレベルだ。
あどけない、
田舎くさい、
冴えない、
地味…
いや、今そんなことはいいや。