天才に恋をした

問題を暗記って。

そんなことできるか?

できたとして、じゃあ問題が変わったらどうするんだ?


俺は陸玖が言ったことを思い出した。



―乃愛は気が付いてるはずだよ―

―じゃあ何で言わないんだ―

―下心があるからね―



俺は、陸玖と別れて苗を呼び出した。

実は、一緒に暮らしてても、ほとんど顔を合わせないんだよな。

部活に入っていると、帰宅部の苗とは生活リズムが違うから。



もはや「ああ、こんな顔してたっけ」のレベルだ。


あどけない、

田舎くさい、

冴えない、

地味…


いや、今そんなことはいいや。
< 16 / 276 >

この作品をシェア

pagetop