天才に恋をした
家中を探して、本当にいないと気づいた。


寝ていた親父を叩き起こす。



「真咲!カバンとか財布はあんの!?」

「ない!」

「靴もないわ」



姉貴も起きてきた。


「どうしたの?」

「苗ちゃん…出て行っちゃったみたい」

「ええっ!」

「とにかく、駅!終電までまだあるだろ」


親父は、車のキーを手にした。

「出て行ったって…どこに行くんだろう?宮崎先生は日本にいないし」

「空港じゃないの?」

「17歳じゃチケット取れないよ。洋子たちは家にいて」

親父と母ちゃんが、出て行こうとする。




「俺も行く!」

「何か連絡があるかも知れないから、家にいろ!」


親父は母ちゃんを連れて、あっという間に出て行った。
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