天才に恋をした
財布をつかんで玄関に戻る。


「まぁくん!どこ行くの!ねえってば!」

「金!」

姉貴に手を突き出した。



「金貸して!」

「ええっ!?」

「金貸してくれんなら教える」

「教えないなら貸さないよ!」



俺はドアノブに手をかけた。

「さいなら!」



姉貴が慌てて、袖をつかむ。

「ヤダヤダ!言ってって!貸すから!」


早く早くと俺に急かされ、姉貴は財布から三万円を出した。

「もっとねーの!?」

「ヒドいっ!この子、不良だっ」


そう言いながらも姉貴は、財布からもう2万出した。



「ありがとう!」

「だから、どこに行くのって!」

「スカイツリー!」



そのまま家を飛び出した。
< 171 / 276 >

この作品をシェア

pagetop