天才に恋をした
ドンとの対面

37-1

ようやく8階に上がった。

最初の目標はクリアだ。




レギュラーからも落ちてない。

逆に、サッカーがなかったらダメになってたかも。




8階は、最悪。

隣りにいるコイツも、その一人だ。



「俺は、一位を目指すって主義じゃない。常に三位でいたい。実際これが一番難しいことだと思うんだよねー」



乃愛の男バージョンがたくさんいる。



「まぁ時々読み間違えで、上に行っちゃうこともあるんだけども。あ~はっはっはっはっはっ」



勉強に必死というより、小さいプライドを守るのに必死らしい。


ああは、なりたくない。



「村瀬くんは、どこ目指してるの?」

近くの女子が聞く。



「いや、別に」



話すのが面倒くさい。



「部活もやってるんでしょう?すごいよね」

「え?何部何部?」

「サッカー」



しーーん。



「サッカー全然、知らない」

「そう」


この感じが、このクラスのトレンドだった。
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