天才に恋をした
講義が終わり、カバンに物を詰めていると、さっきの女子が近づいてきた。


「サッカーって、面白いんだろうね」

「え?ああ、まぁ」

「私は、勉強してみる価値あると思う」


なに…?

サッカーって、勉強するものか?

プレイするものだろ。



怪訝な顔をしていると、三位男が言った。


「ねぇ!止めて止めてそれえ!オスとメスの関係を教室に持ち込まないでくれる?」

「サッカーの話をしてただけでしょ?」

冷静に女子が返す。


「見え透いてますって!どっから見てもオスをメスが誘う行為ですって!」



馬鹿馬鹿しい。

帰ろ。

背を向けても、三位は止まらない。


「まぁそもそもサッカーを日本人がするという発想自体、オスがメスを誘う行為ではあるわなあ」


俺は振り返って、三位を睨んだ。

三位は肩を怒らせ、それでいて怯えた目をしていた。



発端の女子が止めに入る。

「止めよう!うん!止めよう!私のためにケンカは止めよう!」


な、なんでそうなるんだよ…?
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