天才に恋をした
家に帰って、苗に試験時間を伝えた。

対戦相手になることは、何となく言えなかった。


「俺と同じ時間だよ」

苗はホッとしたようにうなずいて、カフェオレを飲んだ。


いよいよか…


これが最後の試験だ。

スカウトが来なかったときの事は……考えてない。

試験が終わったら、すぐに帰国して宮崎先生の所に行こう。

そして、結果を待つ。


「食べ終わったか?」

「うん」


苗が手を払い、歯磨きして戻ってきた。


「行こう」
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