天才に恋をした

1-2

「ねえ!本当なの!?」

すさまじい勢いで、女子の集団が詰め寄ってきた。

なんだよ、怖ぇ…。




「転校生!真咲くんの妹だって!?」

「ああ…」

「だって同じ歳じゃない!?」


もちろん。妹じゃない。

俺は、歳の離れた兄貴二人と姉貴一人がいる末っ子だ。



「いや…腹違いっていうか」

「なのに一緒に住むの!?」

「ああ、そ…」



きゃああああああああああ!!




甲高い叫び声で、クラス中が騒然となった。


「っるせーな!女子!」

と誰かが怒鳴る。



「ホントに!?ホントなの!?」

女子は気にせず、俺に迫ってくる。


めんどくせーな…。



でも今朝、俺も親父に同じセリフを吐いたんだった。


―マジか!?マジで言ってんの!?―

―妹ってことにしておくから―

―お、お、おい!ウソだろ!?-

―お前の学校定員オーバーで、親族でもいないと入れないんだってさ―



乃愛が鼻息荒く言う。

「なんなのソレ!?何で言ってくれなかったの!?」


今日、聞いたんだから当然だろ。

つーか、何でイチイチ説明しないといけないんだよ?



俺は立ち上がって言った。

「干渉すんな」
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