天才に恋をした
「そのメガネ。あり得ない」

塗り終わった爪を眺めつつ、母ちゃんが言う。



「メガネだって色々あるんだから、もっと選ばないと」


メガネくらいじゃ変わんねーって…。


「コンタクトにするとか」


それを聞いた親父は不満げだ。

「ええ~?可愛いじゃん」

「だからオヤジ好みなんだって」

「ああ~、そういう事言う~?」

「っるせーなっっ!」

「そのうち、買い物に連れてくわ」


聞いてねぇし…。
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