天才に恋をした
「え…!それってカノジョ!?」

角田が叫んだ。



「デカい声出すなよ」

「おっ…まえ!お前、絶好調だな!」

「どこが絶好調なんだよ」

俺は手を見せつけながら言った。



「真咲すげーな。俺、学内の子と付き合おうとは思わねぇわ」

「なんで?」

「だって、下手に付き合って別れたらどーすんの?」

「なんで?」

「なんでって、大学も一緒なんだよ!?」



あ…

しまった。



「そのリスクを何で早く言わねーんだ!」

「フツウ気づくでしょ!」

「ああ~!ああああ~!」




何で気づかなかったんだろう。

乃愛だって、中等部時代の彼氏を知られてるのに。

俺は腹筋器具から、頭を抱えて転がり落ちた。



「可愛いかったし、ついぃぃぃぃ!」

「い…いや、要は別れなきゃいいんだよ。うん」

「別れなきゃいい…そうだよな?別れる前提のつき合いなんかないもんな!」

「う…うん。どんな恋愛にもリスクはつきものだ」

「だよな!?」

「ただ…学内だと、若干そのリスクが…」

「もう言うなっ!」
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