天才に恋をした

14-3

ひさびさ疲れた…



ソファーにへたり込んだ。



親父と母ちゃんで、コンサートに行くって言ってたな。

冷蔵庫に、作り置きの夕飯があるはず。



だりぃ…


温める気しねぇ…。



ダルい。

腹ヘッタ。

ダルい。

腹ヘッタ…。




リビングのドアが開いた。

あ、諸悪の根元。

俺に気がつかない。


キッチンへ向かった。

「苗…」

苗が驚いたように、俺を見る。



「腹ヤバい…ちょっと…あっためて」



苗が来て、しゃがむ。

そして、自分の手を俺の腹へ当てた。



「…ふっ」

俺は吹き出した。



「あっはっはっはっ!」


超ウケる!



「ち、違っ…温めろって…そ、そういう事じゃなくて…っ」

ヤバい。
笑いが止まんねぇ。

苗が不思議そうな顔をしている。
< 72 / 276 >

この作品をシェア

pagetop