キミのその嘘つきな、

悔しくて、涙が滲む。

彼も幹太もスポーツや勉強は小学生の時からできた。
高校は、彼が必死で私に勉強を教えてくれてなんとか同じ高校に合格出来た。
幹太は私たちの様子を、冷ややかな目で見ていた気がする。
それぐらいの時期からか、三人のうち、誰かの家で集まって勉強会をすることは無くなった。幹太だけ、製菓の高校に行ってしまったし。


彼の足を私が引っ張って来たのが許せないのか?
こんなに一緒にいたのに。こっちがどんなに距離を縮めても、壁を作りやがって。


「桔梗!」

後ろから呼び止められたけど、泣き顔を見られたくなくて振り返らず駆け出す。
公園の階段を降りれば、コンビニの駐車場で彼が待っている。
だから私は駆け下りた。捕まりたくない。
泣きだしたから追いかけるなんて、――まるで私が追いかけさせようと泣いたみたいで。

「桔梗」

掴まれた腕を、必死で引き剥がそうと暴れたら、両手を掴まれて、――そのまま階段の踊り場の壁に押し付けられた。

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