いっぱい好きになってもらうから。
コウタは私を囲うように逆の手も壁についた。
「もう見てられないんだよ。おまえが悲しそうにしてるのがつらいんだ」
「だ……って」
「だって、何だよ?」
「高校生のときからずっと好きだったのよ」
思わず本音を漏らしていた。コウタが私にぐっと顔を近づけてくる。
「なあ」
彼の表情があまりにも真剣で、なぜか心臓がトクンと音を立てた。今まで幼馴染みだと思って意識してこなかったけれど、コウタもタツキと同じように、ぐっと逞しい大人の男性になっている。
「俺はずっとサッカー一筋で、サッカーが大好きだった。でも、高二の時に靱帯を切って、プロサッカー選手になるって夢を諦めた。諦める努力をしたんだよ。アオイだって諦める努力をしろよ」
「諦めるなんて……」
私はまた視線を落とした。
「諦める努力をしないのなら、立ち止まってないで奪う努力をしろよ」
コウタの口調が険しくなり、私は思わず彼の目を見た。
「奪うなんてできるわけないでしょ。メグは私の親友なのよっ」
「じゃあ、立ち止まるな。奪う努力ができないなら、諦める努力をしろよ」
「か、勝手なこと言わないで。努力したからってそんなに簡単に忘れられないよ。今までだって無理だったのに」
「もう見てられないんだよ。おまえが悲しそうにしてるのがつらいんだ」
「だ……って」
「だって、何だよ?」
「高校生のときからずっと好きだったのよ」
思わず本音を漏らしていた。コウタが私にぐっと顔を近づけてくる。
「なあ」
彼の表情があまりにも真剣で、なぜか心臓がトクンと音を立てた。今まで幼馴染みだと思って意識してこなかったけれど、コウタもタツキと同じように、ぐっと逞しい大人の男性になっている。
「俺はずっとサッカー一筋で、サッカーが大好きだった。でも、高二の時に靱帯を切って、プロサッカー選手になるって夢を諦めた。諦める努力をしたんだよ。アオイだって諦める努力をしろよ」
「諦めるなんて……」
私はまた視線を落とした。
「諦める努力をしないのなら、立ち止まってないで奪う努力をしろよ」
コウタの口調が険しくなり、私は思わず彼の目を見た。
「奪うなんてできるわけないでしょ。メグは私の親友なのよっ」
「じゃあ、立ち止まるな。奪う努力ができないなら、諦める努力をしろよ」
「か、勝手なこと言わないで。努力したからってそんなに簡単に忘れられないよ。今までだって無理だったのに」