間違ってても、愛してる
腕枕で迎えた朝は、満たされた気持ちでいっぱいだった。

でも、目覚めのキスをして、彼がニッコリ微笑んだ時、それを掻き消すようにLINEの着信音が響いた。



開けば夫からのメッセージで「今、どこにいる? 帰ったらいないから。」

夫は思ったよりも早く帰宅したようだ。



とりあえず、友達の家で誕生日を祝ってもらったと嘘のメールを送る。

急に現実に引き戻され、揺れる気持ちに戸惑いながら、慌てて服を着る。



「ごめんね。帰らなくちゃ。」

「じゃあ、送ります。」

「いいよ。気持ちがリセットできなくなるから。」



私は彼を愛し始めている。

だけど、この気持ちを持ち帰ることはできない。

いくら夫に愛想を尽かしていても、私は人妻だ。

彼を簡単には、幸せにしてあげられない。
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