【短編】真夜中のサンキャッチャー
自分でもヨロヨロと歩いてるのは分かった。熱があるのも意識が朦朧としてるのも。
「本当に」
「いいから」
「でも」
「木嶋さんは、もう……!」
ドン!
キッチンの壁に寄りかかる私。顔の横にはアームバンド。目の前には小井川さんの顔。怒っている。今度こそホンモノの壁ドン……??
「心配なんだよ。駄目なときはちゃんと甘えろよ」
「……」
「メールも無視して、俺じゃ不本意かもしれないけど、こんなに熱が高いんだから、もし何かあったら」
「……ごめんなさい」
「いや……こっちこそヒートアップしてごめん。病人相手に……」
小井川さんは壁から手を離して私の肩を抱き、ベッドに連れ戻した。
「あの……」
「何」
「メール、無視したんじゃなくて迷惑メールの類かと勘違いして」
「俺のアドレス、登録してなかったの?」
「え? アドレス交換してありましたか?」
「ああ。君が入社したときに交換した」
「すみません、覚えてないかも……」
「本当に」
「いいから」
「でも」
「木嶋さんは、もう……!」
ドン!
キッチンの壁に寄りかかる私。顔の横にはアームバンド。目の前には小井川さんの顔。怒っている。今度こそホンモノの壁ドン……??
「心配なんだよ。駄目なときはちゃんと甘えろよ」
「……」
「メールも無視して、俺じゃ不本意かもしれないけど、こんなに熱が高いんだから、もし何かあったら」
「……ごめんなさい」
「いや……こっちこそヒートアップしてごめん。病人相手に……」
小井川さんは壁から手を離して私の肩を抱き、ベッドに連れ戻した。
「あの……」
「何」
「メール、無視したんじゃなくて迷惑メールの類かと勘違いして」
「俺のアドレス、登録してなかったの?」
「え? アドレス交換してありましたか?」
「ああ。君が入社したときに交換した」
「すみません、覚えてないかも……」