そんな恋もありですか?
次の日、
カフェに行くと、
休業の札がでていたけれど、
裏口を開けるとすでに鍵は開いており、
厨房には、材料がすべて準備されていた。

器具を磨いている守田の背中に、
昨日の素の顔を思い出しながら、
ドキドキとしながら声をかけた。

「おはようございます」

彼は手を止め振り返り、

「おお、早いな」

と、笑顔を浮かべた。

(うそっ、私にこんな甘い笑顔浮かべるなんて)

「お約束していただいたので、
 今日は、よろしくお願いします」

「うん」

にこやかな彼の態度に、更に不安になる。

そんな、不安は無用に様に
普段道理の表情で、
レクチャーをしてくれ
あゆはメモを取りながら、写真を撮り、
実際作るときには細かいコツを教えてくれた。

オーブンの火加減を調節しオーブンに入れると
ほうっ、と息をついて、

「シェフこれで大丈夫ですか?」

と、守田に尋ねると、

「うん」

そう頷いて、

「こっちに来い」

とあゆを呼んだ。


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