ほろ苦いキミのkiss【壁ドン企画】
もしかしたら私の勘違いかもしれない。
誰にでも優しい櫻木さんだからこそそう感じる。
だからこそ、そうなのだとしたら。
「期待…させないでくれますか?」
これは、自分のためにも、櫻木さんのためにも。
「期待って、なんの期待?」
今日の桜木さんはやっぱりおかしい。
甘く優しい声でいじめてくる。
「あの、だから…こうやってっ!」
大きな温もりに包まれる。
私は……
櫻木さんに抱きしめられている。
頭がついていかない。
「菊池さんって、意外に大胆だよね?」
「いや……あのっ」
「気のない相手にはこんなことすると思う?」
優しく微笑んだ櫻木さんは優しく私の唇にそれを重ねた。
「…礼奈」
櫻木さんのキスはほろ苦いコーヒーの味がした。
end.


