花と死(前編)
クラウジアは痺れを切らしたようにヴォルフラムの頬を叩いた。
「目を覚ませ。」
目尻を釣り上げ、ヴォルフラムを強く抱きしめる。
「御前は私のものだ。」
そう言われて、何処か安堵したように落ち着く。
「きっかけはどうあれ、話せるようになった。それは喜ばしいな。」
「よかったよかった!」
「……はははー。」
クラウジアに同意するエリミアに合わせるようにシエリアはわらった。
(とても、こわかったんだけど……)
シエリアは笑みを貼り付けたままで困っている。
「済まなかった。」
ヴォルフラムはそう言うと正気であろう視線をエリミアに向けた。
「貴様が戯言のように言う通り、俺は何度も転生を続ける吸血鬼だ。そして、貴様は嘗て愛したアリシアと同じ姿……言うなれば、生まれ変わりだろう。」
はっきりと説明する。
「色々思うことがあって、取り乱した。これ以上危害を加えるつもりはない故、案ずるな。」
そう言い切って、クラウジアを見た。
「貴様には特に迷惑を」
「かけられてない。」
「……そうか。」
ヴォルフラムはクラウジアに頷く。
(そうだ。俺はこんなところで取り乱している場合ではない。)
クラウジアは傍に居る。
そう認識しながら、安堵する。
その時、店内がざわついた。
“ガシャァアアン!!!!”
大きな音を起てて硝子が弾け、悲鳴が周囲に響いた。
『ふふふ……』
脳裏に女の笑い声が過る。
(違う。)
ヴォルフラムは予感を振り払って周囲を警戒した。
辺りに焦げ臭いにおいがした。
「火事だ!!」
その叫びと共に、店外へ人々が逃げる。
「ふふっ、人間狩りって楽しいね。」
ひらりと舞い降りた。
その姿は金髪の無邪気な少女だ。
「ねー!それ、ちょうだい?」
「きゃああっ!!」
女を捕まえて、ピアスを引きちぎった。
「わーい!」
ピアスを奪いながら、嬉しそうに少女がわらう。
女は泣き叫びながら逃げた。
血の匂いが鼻を刺激する。
「……マンモン、か。罪人が何の用だ。」
記憶を手繰って名前を呼ぶ。
「孤月っていってよー!人間の世界ではそういうことになってるんだからさぁ〜?」
目の前に降り立って、少女が言う。
「ねぇ?サタン。」
「煩い。俺はヴォルフラムだ。」
にっこりわらう孤月にヴォルフラムは睨む。
“サタン”
最初の自分。
罪を負った罪人。
同一であり、別物。
矛盾した関係だ。
「目を覚ませ。」
目尻を釣り上げ、ヴォルフラムを強く抱きしめる。
「御前は私のものだ。」
そう言われて、何処か安堵したように落ち着く。
「きっかけはどうあれ、話せるようになった。それは喜ばしいな。」
「よかったよかった!」
「……はははー。」
クラウジアに同意するエリミアに合わせるようにシエリアはわらった。
(とても、こわかったんだけど……)
シエリアは笑みを貼り付けたままで困っている。
「済まなかった。」
ヴォルフラムはそう言うと正気であろう視線をエリミアに向けた。
「貴様が戯言のように言う通り、俺は何度も転生を続ける吸血鬼だ。そして、貴様は嘗て愛したアリシアと同じ姿……言うなれば、生まれ変わりだろう。」
はっきりと説明する。
「色々思うことがあって、取り乱した。これ以上危害を加えるつもりはない故、案ずるな。」
そう言い切って、クラウジアを見た。
「貴様には特に迷惑を」
「かけられてない。」
「……そうか。」
ヴォルフラムはクラウジアに頷く。
(そうだ。俺はこんなところで取り乱している場合ではない。)
クラウジアは傍に居る。
そう認識しながら、安堵する。
その時、店内がざわついた。
“ガシャァアアン!!!!”
大きな音を起てて硝子が弾け、悲鳴が周囲に響いた。
『ふふふ……』
脳裏に女の笑い声が過る。
(違う。)
ヴォルフラムは予感を振り払って周囲を警戒した。
辺りに焦げ臭いにおいがした。
「火事だ!!」
その叫びと共に、店外へ人々が逃げる。
「ふふっ、人間狩りって楽しいね。」
ひらりと舞い降りた。
その姿は金髪の無邪気な少女だ。
「ねー!それ、ちょうだい?」
「きゃああっ!!」
女を捕まえて、ピアスを引きちぎった。
「わーい!」
ピアスを奪いながら、嬉しそうに少女がわらう。
女は泣き叫びながら逃げた。
血の匂いが鼻を刺激する。
「……マンモン、か。罪人が何の用だ。」
記憶を手繰って名前を呼ぶ。
「孤月っていってよー!人間の世界ではそういうことになってるんだからさぁ〜?」
目の前に降り立って、少女が言う。
「ねぇ?サタン。」
「煩い。俺はヴォルフラムだ。」
にっこりわらう孤月にヴォルフラムは睨む。
“サタン”
最初の自分。
罪を負った罪人。
同一であり、別物。
矛盾した関係だ。